社会保険労務士試験 第55回(令和5年) 選択式|過去問解説 「労働基準法・労働安全衛生法」

※本情報は解説作成時点のもので、閲覧時点では法改正等により情報が変更になっている場合がございます。あらかじめご理解いただければ幸いです。

正解は「A:2年 B:遅滞なく C:労働からの解放 D:1トン E:その就業を禁止」です。
労働基準法における災害補償請求権の時効、年次有給休暇の時季変更権に関する最高裁判例、不活動時間と労働時間の判断基準、労働安全衛生法の重量表示義務、感染症労働者の就業禁止規定が問われています。

この記事では、社会保険労務士試験(第55回・令和5年)で出題された選択式試験の「労働基準法・労働安全衛生法」に関する問題について、試験対策の観点からわかりやすく解説します。

災害補償請求権の時効(労働基準法)

災害補償請求権=2年で時効消滅

労働基準法では、災害補償その他の請求権(賃金請求権を除く。)については、権利を行使することができる時から2年間行使しない場合、時効によって消滅すると定められています。これは労働災害に関する補償請求権の権利関係を早期に確定させる趣旨です。

年次有給休暇の時季変更権(最高裁判例)

最高裁判所は、労働者が年次有給休暇を直前に請求した場合など、使用者が事前に時季変更権を判断する時間的余裕がない場合には、休暇開始後に行使された時季変更権でも、客観的に行使できる事情があり、その行使が遅滞なくされたものであれば適法と認められる場合があると判示しています。

不活動時間と労働時間(最高裁判例)

労働時間判断=指揮命令下+労働からの解放があるか

マンション管理員の待機時間が労働時間かどうかが争われた事件において、最高裁は、実作業をしていない時間であっても、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている場合には労働時間に該当するとしました。そして、不活動時間であっても労働からの解放が保障されていない場合には労働時間に当たると判断しています。

重量表示義務(労働安全衛生法35条)

労働安全衛生法では、重量物による労働災害を防止するため、重量が1トン以上の貨物を発送しようとする者は、その重量を見やすく消えにくい方法で表示しなければならないと定めています。

感染症労働者の就業禁止(労働安全衛生法68条)

事業者は、伝染性疾病など厚生労働省令で定める疾病にかかった労働者については、労働者や他の従業員の健康を守るため、必要に応じてその就業を禁止しなければならないとされています。

問われているポイント

この問題では、労働基準法の請求権の時効制度、年次有給休暇の時季変更権に関する判例、不活動時間の労働時間該当性の判断基準、労働安全衛生法の重量物規制と感染症対策など、条文知識と判例理解が総合的に問われています。

気を付けてほしい点(勘違いしやすいポイント)

  • 災害補償請求権の時効は2年
  • 時季変更権は遅滞なく行使されれば例外的に有効となる場合がある
  • 待機時間でも労働からの解放がなければ労働時間
  • 重量表示義務は1トン以上の貨物

補足
社労士試験では、最高裁判例のキーワードである「遅滞なく」「労働からの解放」などの表現がそのまま穴埋め問題として出題されることが多いため、正確な文言で覚えることが重要です。

社会保険労務士試験での出題パターン

社会保険労務士試験の選択式では、条文の数値(年数・重量など)や判例の重要キーワードが空欄補充として出題されます。特に労働時間判断基準や年次有給休暇の判例は頻出テーマのため整理して覚えておく必要があります。

まとめ

  • 災害補償請求権は2年で時効消滅
  • 時季変更権は遅滞なく行使されれば有効となる場合がある
  • 不活動時間でも労働からの解放がなければ労働時間
  • 重量1トン以上の貨物は重量表示義務あり
  • 感染症労働者は就業禁止措置を取る
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