※本情報は解説作成時点のもので、閲覧時点では法改正等により情報が変更になっている場合がございます。あらかじめご理解いただければ幸いです。
正解は「A:本件採用内定通知のほかには労働契約締結のための特段の意思表示をすることが予定されていなかった B:知ることができず、また知ることが期待できないような事実であって C:3 D:労働基準法 E:都道府県労働局長」です。
この問題は、採用内定の法的性質(最高裁判例)、労働者派遣の期間制限、最低賃金制度の罰則及び減額特例の許可主体など、労務管理に関する基本制度を横断的に理解しているかを問う内容です。
この記事では、社会保険労務士試験(令和5年 第55回)選択式で出題された「労務管理その他の労働に関する一般常識」の問題について、判例・法律制度の趣旨を整理しながら試験対策の観点でわかりやすく解説します。
採用内定の法的性質(最高裁判例)
採用内定=始期付解約権留保付労働契約
大学卒業予定者に対する採用内定について、最高裁判所は、企業からの求人に対する応募は労働契約の申込みであり、企業からの採用内定通知はその承諾であるとして、採用内定時点で労働契約が成立すると判示しています。ただし、その契約は就労開始日を将来に設定し、一定の取消事由がある場合に限り解約できる「始期付解約権留保付労働契約」と解されています。
各空欄のポイント
- A:採用内定通知のほかに労働契約締結のための特段の意思表示が予定されていない場合、採用内定時点で労働契約が成立すると解されます。
- B:採用内定取消が許されるのは、採用内定当時に企業が知ることができず、また知ることが期待できない事実である場合など、客観的合理性と社会通念上の相当性がある場合に限られます。
- C:労働者派遣法では、同一の派遣労働者を同一組織単位で継続して受け入れることができる期間は原則3年とされています。
- D:地域別最低賃金の違反には50万円以下の罰金が定められていますが、特定(産業別)最低賃金の違反については労働基準法により30万円以下の罰金が科されます。
- E:最低賃金の減額特例は、精神又は身体の障害により著しく労働能力が低い者などについて、都道府県労働局長の許可を受けることで認められます。
問われているポイント
この問題では、労務管理の基礎知識として、採用内定に関する判例法理、労働者派遣の期間制限、最低賃金制度の罰則および最低賃金減額特例の許可制度について理解しているかが問われています。条文だけでなく、判例の趣旨まで理解しておくことが重要です。
気を付けてほしい点(勘違いしやすいポイント)
- 採用内定は単なる予定ではなく労働契約の成立と解される
- 労働者派遣の同一組織単位の期間制限は3年
- 最低賃金の減額特例の許可主体は都道府県労働局長
補足
社労士試験では、採用内定の判例(大日本印刷事件など)の判示内容や、労働者派遣法の3年ルール、最低賃金制度の罰則体系が頻繁に出題されるため、制度の趣旨と合わせて整理して覚えることが重要です。
社会保険労務士試験での出題パターン
社会保険労務士試験では、労務管理分野として判例問題、派遣制度の期間規制、最低賃金制度など、労働関係制度の横断的理解を問う問題が出題される傾向があります。特に「3年ルール」や「減額特例の許可主体」などの数値・主体は頻出論点です。
この知識が使われている問題
まとめ
- 採用内定は始期付解約権留保付労働契約とされる
- 労働者派遣の同一組織単位の受入期間は原則3年
- 最低賃金の減額特例は都道府県労働局長の許可が必要
この解説で理解すべき用語