※本情報は解説作成時点のもので、閲覧時点では法改正等により情報が変更になっている場合がございます。あらかじめご理解いただければ幸いです。
正解は「D:四つ」です。
厚生年金保険法では被保険者期間の計算方法、在職老齢年金の支給停止対象、標準賞与額に係る保険料の算定方法、中高齢寡婦加算や経過的寡婦加算の支給調整など、各規定に基づき正確に理解することが重要です。
この記事では、社会保険労務士試験(令和5年・第55回)で出題された択一式 問4「厚生年金保険法」に関して、試験対策の観点からわかりやすく解説します。
被保険者期間の計算
被保険者期間は資格取得月から資格喪失前月まで算入
厚生年金保険法では、被保険者期間を計算する場合、月単位で算定し、被保険者資格を取得した月から喪失した月の前月までを算入します(法第25条等)。これにより、加入期間の正確な把握が行われ、年金額計算の基礎となります。
在職老齢年金と70歳以上被保険者
厚生年金保険の適用事業所で70歳以上の者であっても、法第12条の適用除外に該当する場合は、在職老齢年金による支給停止の対象にはなりません。つまり、適用除外者は老齢厚生年金を通常通り受給可能です。
標準賞与額に係る保険料の算定
被保険者が複数事業所で勤務する場合、各事業主の負担すべき保険料は、その月に支払った賞与額を当該被保険者の受けた総賞与額で除して算定する必要があります。複数勤務による保険料の二重計算を避ける仕組みです。
中高齢寡婦加算と経過的寡婦加算の調整
遺族厚生年金に加算される中高齢寡婦加算は、遺族基礎年金の支給を受ける間は停止されます。同様に、経過的寡婦加算も障害基礎年金を受給している場合、その期間は支給が停止されます。これにより二重給付を防止しています。
各選択肢のポイント
- ア:被保険者期間を計算する場合、月単位で資格取得月から資格喪失前月までを算入 → これは正しい。条文どおり。
- イ:70歳以上の被保険者で適用除外に該当する者は、在職老齢年金の支給停止の対象とはならない → 厚生年金法第12条の適用除外者は、厚生年金保険料徴収対象ではあるが、在職老齢年金の支給停止対象にはなる場合があります。よって、誤り。
- ウ:複数事業所に勤務する場合の賞与額に係る保険料の計算 → 条文通り、各事業所の負担割合は総額に応じて算出される。正しい。
- エ:中高齢寡婦加算が遺族基礎年金受給中は支給停止される → 条文どおり、支給停止される。正しい。
- オ:経過的寡婦加算が障害基礎年金受給中は支給停止される → 条文どおり、支給停止される。正しい。
問われているポイント
この問題では、厚生年金保険法における被保険者期間の算定、在職老齢年金の対象、標準賞与額の保険料算定、中高齢寡婦加算や経過的寡婦加算の支給停止など、複数の条文の理解を正確に押さえているかが問われています。法令の文言だけでなく、仕組みや実務上の運用も理解することが重要です。
気を付けてほしい点(勘違いしやすいポイント)
- 被保険者期間は資格取得月から資格喪失前月までを算入する
- 70歳以上の被保険者でも適用除外に該当する場合は支給停止対象外
- 複数事業所での賞与保険料算定は二重計算を避ける方法を適用
- 中高齢寡婦加算や経過的寡婦加算は他年金給付との調整が行われる
補足
社労士試験では、厚生年金保険法の条文理解と実務運用の違いが問われます。条文の細部まで正確に覚え、どの条件で支給・停止されるかを整理しておくことが得点につながります。
社会保険労務士試験での出題パターン
厚生年金保険法分野では、被保険者期間、在職老齢年金、標準報酬月額・賞与額の保険料、遺族年金の加算調整などが繰り返し出題されます。条文の原文理解と支給停止や算定ルールの実務的運用を押さえることが重要です。
この知識が使われている問題
まとめ
- 被保険者期間は資格取得月から喪失前月までを算入
- 70歳以上の適用除外者は在職老齢年金の支給停止対象外
- 複数事業所勤務時の賞与保険料は二重計算を避ける
- 中高齢寡婦加算・経過的寡婦加算は他年金受給中は支給停止される
- 条文理解と実務運用の違いを整理して覚えることが重要
この解説で理解すべき用語