社会保険労務士試験 第56回(令和6年) 選択式|過去問解説 「労働基準法・労働安全衛生法」

※本情報は解説作成時点のもので、閲覧時点では法改正等により情報が変更になっている場合がございます。あらかじめご理解いただければ幸いです。

正解は「A:児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで B:指揮命令下 C:自由な意思に基づく D:フォークリフト E:遅滞なく」です。
年少者の最低年齢規制、労働時間の判断基準(指揮命令下)、退職金債権放棄の判例、労働安全衛生法の定期自主検査対象、労働災害報告義務の基本知識が問われています。

この記事では、社会保険労務士試験(第56回・令和6年)で出題された選択式試験の「労働基準法・労働安全衛生法」に関する問題について、試験対策の観点からわかりやすく解説します。

年少者の最低年齢(労働基準法56条)

最低年齢=満15歳到達後の最初の3月31日終了まで就労不可

労働基準法第56条では、原則として児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまでは使用してはならないと定められています。これは義務教育の修了時期と整合させた年少者保護の規定です。

労働時間の判断基準(最高裁判例)

労働時間=使用者の指揮命令下に置かれている時間

最高裁判所は、作業服の着脱や業務準備行為の時間が労働時間に該当するかが争われた事件において、労働基準法上の労働時間とは労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間であると判示しました。準備行為などが事業所内で義務付けられている場合には、所定労働時間外であっても労働時間に該当する可能性があります。

退職金債権放棄の効力(最高裁判例)

退職金は賃金に該当するため、労働基準法24条の全額払の原則が適用されます。ただし、労働者自身が退職時に退職金債権を放棄する意思表示をした場合、その意思表示が自由な意思に基づくものであることが明確であれば有効と判断されると最高裁は示しています。

定期自主検査の対象機械

労働安全衛生法第45条では、特定機械等のほか、政令で定める機械について定期自主検査を行うことが義務付けられています。その対象にはフォークリフトなどの危険性の高い機械が含まれます。

労働災害発生時の報告義務

労働安全衛生法および労働安全衛生規則では、労働者が死亡または4日以上の休業を伴う労働災害が発生した場合、事業者は遅滞なく所轄労働基準監督署長へ報告しなければならないとされています。

問われているポイント

この問題では、労働基準法の年少者保護規定、労働時間の定義に関する最高裁判例、賃金全額払原則と退職金放棄の判例、さらに労働安全衛生法の機械安全規制と労災報告義務など、基本条文と判例知識が横断的に問われています。

気を付けてほしい点(勘違いしやすいポイント)

  • 最低年齢は「満15歳到達」ではなく「最初の3月31日終了まで」
  • 労働時間は就業規則ではなく指揮命令下かどうかで判断
  • 退職金放棄は自由意思であることが重要
  • フォークリフトは定期自主検査対象機械

補足
社労士試験では、判例のキーワードである「指揮命令下」「自由な意思に基づく」などの表現がそのまま穴埋め問題として出題されることが多いため、正確な文言で覚えておくことが重要です。

社会保険労務士試験での出題パターン

社会保険労務士試験の選択式では、労働基準法の条文、労働時間に関する最高裁判例、労働安全衛生法の安全管理制度などの重要語句が空欄補充形式で問われます。主体(誰が義務を負うか)や判例のキーワードを正確に理解しておくことが得点のポイントです。

まとめ

  • 年少者は満15歳到達後の最初の3月31日終了まで使用不可
  • 労働時間は使用者の指揮命令下にある時間
  • 退職金債権放棄は自由意思に基づく場合に有効
  • フォークリフトは定期自主検査対象機械
  • 労働災害は遅滞なく労基署へ報告する
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