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正解は「A:裁判所 B:付加金 C:上記権利等を保障した趣旨を実質的に失わせるものと認められる D:作業管理 E:譲渡し、貸与し」です。
労働基準法の付加金制度、産前産後休業と賞与の出勤率計算に関する最高裁判例、労働衛生管理の基本構成、機械等の安全基準に関する規定を理解しているかが問われています。
この記事では、社会保険労務士試験(第57回・令和7年)で出題された選択式試験の問1「労働基準法・労働安全衛生法」に関する問題について、試験対策の観点からわかりやすく解説します。
付加金制度(労働基準法114条)
付加金=未払賃金と同額を裁判所が追加支払命令できる制度
労働基準法第114条では、時間外労働の割増賃金などの未払があった場合、裁判所は労働者の請求により、未払金のほか同一額以下の付加金の支払いを命ずることができるとされています。これは違反抑止と労働者保護を目的とした制度です。
産前産後休業と賞与の出勤率(最高裁判例)
最高裁判所は、賞与の支給条件として出勤率90%以上とする就業規則について、産前産後休業を出勤日数に含めない扱いが問題となった事件で、産前産後休業中の賃金は法律上当然に保障されているものではないとしました。
そのうえで、産前産後休業を取得した労働者の出勤率をどのように扱うかは、原則として労使の合意に委ねられるとしつつ、制度の運用が上記権利等を保障した趣旨を実質的に失わせるものと認められる場合には、公序に反し無効となると判断しています。
労働衛生管理の基本構成
労働衛生管理=作業環境管理+作業管理+健康管理
労働安全衛生法では、健康障害防止のための基本的な衛生管理として、作業環境管理・作業管理・健康管理の三つを柱とする労働衛生管理を実施することが重要とされています。これに加え、労働衛生教育などを総合的に実施することで、事業場の安全衛生水準を高めることが目的です。
機械等の安全基準(労働安全衛生法42条)
労働安全衛生法第42条では、危険または有害な作業を伴う機械等について、厚生労働大臣が定める安全規格や安全装置を備えなければ、譲渡し、貸与し、または設置してはならないと定めています。これは危険な機械が市場に流通することを防ぐための規定です。
問われているポイント
この問題では、労働基準法と労働安全衛生法の重要条文と判例の理解が問われています。
特に付加金制度(114条)、産前産後休業と賞与の出勤率に関する判例、労働衛生管理の三管理、機械の安全基準規制など、基本知識と判例知識を横断的に整理しておくことが重要です。
気を付けてほしい点(勘違いしやすいポイント)
- 付加金は行政ではなく裁判所が命じる
- 付加金は未払賃金と同額まで命じられる
- 労働衛生管理は作業環境管理・作業管理・健康管理の三本柱
- 安全基準を満たさない機械は譲渡・貸与が禁止される
補足
社労士試験では、条文知識だけでなく最高裁判例の文言がそのまま穴埋めとして出題されることがあります。特に「趣旨を実質的に失わせるものと認められる」という判例表現は重要です。
社会保険労務士試験での出題パターン
社会保険労務士試験の選択式では、労働基準法の条文、最高裁判例の表現、労働安全衛生法の基本概念などが空欄補充形式で出題されます。条文の主体(裁判所・厚生労働大臣など)や専門用語を正確に覚えておくことが得点のポイントです。
この知識が使われている問題
まとめ
- 未払賃金の違反には裁判所が付加金を命じることがある
- 産前産後休業の出勤率扱いは原則労使の合意に委ねられる
- 労働衛生管理は作業環境管理・作業管理・健康管理
- 安全基準を満たさない機械は譲渡や貸与が禁止される