社会保険労務士試験 第57回(令和7年) 選択式|過去問解説 「労務管理その他の労働に関する一般常識」

※本情報は解説作成時点のもので、閲覧時点では法改正等により情報が変更になっている場合がございます。あらかじめご理解いただければ幸いです。

正解は「A:医療、福祉 B:農業、林業 C:業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの D:施設管理 E:組合の弱体化を図ろうとしたもの」です。
高齢者就業に関する統計、パワーハラスメント規制、そして労働組合の施設利用に関する最高裁判例の理解が問われています。

この記事では、社会保険労務士試験(第57回・令和7年)選択式の「労務管理その他の労働に関する一般常識」に関する問題について、統計資料・法律・判例のポイントを整理しながら解説します。

高齢者の就業状況(労働力調査)

65歳以上就業者:卸売・小売 → 医療・福祉 → その他産業

総務省の統計によると、65歳以上の就業者を産業別に見ると「卸売業、小売業」が最も多く、次いで医療、福祉が続いています。

また、10年前と比較した増加数を見ると、「医療、福祉」は63万人増加し、およそ2.4倍となっています。

一方、65歳以上の就業者数が減少している産業は農業、林業であり、10年前と比べて減少しています。ただし、各産業の就業者に占める65歳以上の割合は農業・林業が52.9%と最も高く、高齢者比率の高い産業となっています。

パワーハラスメント防止措置(労働施策総合推進法)

パワハラ=優越的関係+業務上必要かつ相当な範囲を超える言動

労働施策総合推進法第30条の2では、いわゆるパワーハラスメント防止措置を事業主に義務付けています。

ここでいう職場のパワーハラスメントとは

  • 優越的な関係を背景とした言動であること
  • 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものであること
  • 労働者の就業環境が害されること

といった要件を満たす場合を指します。

組合の施設利用と企業の施設管理権(判例)

企業施設=原則として企業の施設管理権が優先

判例では、労働組合が企業施設を利用する場合でも、企業側には施設管理権があることが前提とされています。

本件では、会社が従業員食堂の利用について一定の条件を設けたことは、施設管理権の観点から合理的であり、組合が無許可で使用を続けたことは正当な組合活動とはいえないと判断されました。

また、会社が施設利用を認めない状態が続いたとしても、それだけで組合の弱体化を図ろうとしたものと直ちに評価することはできないとされています。

気を付けてほしい点(勘違いしやすいポイント)

  • 65歳以上就業者で増加が大きい産業は医療・福祉
  • 高齢者割合が最も高い産業は農業・林業
  • パワハラの定義には「業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動」が含まれる
  • 企業施設の利用は企業の施設管理権が前提
  • 施設利用拒否が直ちに不当労働行為になるわけではない

補足
「労務管理その他の労働に関する一般常識」では、統計資料、最新の労働政策、そして重要判例が出題される傾向があります。特にパワハラ規制や高齢者雇用に関するデータは近年頻出テーマです。

社会保険労務士試験での出題パターン

この科目では、法律条文だけでなく、統計資料や判例の文章をそのまま穴埋め形式で問う問題が多く出題されます。特にキーワードとなる語句(施設管理権、業務上必要かつ相当な範囲など)はそのまま覚えておくことが重要です。

まとめ

  • 65歳以上就業者の増加が大きい産業は医療・福祉
  • 65歳以上割合が最も高いのは農業・林業
  • パワハラは業務上必要かつ相当な範囲を超える言動が要件
  • 企業施設の利用は企業の施設管理権が前提
  • 施設利用拒否が直ちに組合弱体化目的とは評価されない
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