※本情報は解説作成時点のもので、閲覧時点では法改正等により情報が変更になっている場合がございます。あらかじめご理解いただければ幸いです。
正解は「4.(ウとオ)」です。
本問は、厚生労働省の認定基準(令和3年9月14日基発0914第1号)に基づき、脳・心臓疾患の労災認定における業務の過重性評価の考え方を理解しているかを問う問題です。5つの記述のうち正しいのは「勤務時間の不規則性の評価」に関する記述と、「複数業務要因災害における労働時間通算」に関する記述です。
この記事では、社会保険労務士試験(令和7年・第57回)で出題された択一式 問3「労働者災害補償保険法」のうち、脳血管疾患及び虚血性心疾患等の労災認定基準に関する問題について、試験対策の観点からわかりやすく解説します。
脳・心臓疾患の労災認定基準
業務起因性=業務による明らかな過重負荷+医学的知見に基づく発症との関連
脳血管疾患や虚血性心疾患などは、生活習慣などの要因によっても発症することがあるため、労災として認められるかどうかは「業務による過重な負荷があったか」を基準に判断されます。厚生労働省の認定基準では、発症前の労働時間、勤務の不規則性、作業環境、精神的緊張などを総合的に評価して業務起因性を判断することとされています。
各選択肢のポイント
- ア:認定基準でいう「特に過重な業務」は、同種労働者の通常業務と比較して特に過重な負荷が認められる業務を指します。設問のように「日常業務」を基準とするものではないため、この記述は誤りです。
- イ:業務の過重性評価では、勤務時間の不規則性も重要な負荷要因の一つです。特に長期間の過重業務の判断では、勤務間インターバルがおおむね9時間未満の勤務の有無・時間数・頻度・連続性などを検討して評価するとされており、この記述は正しいです。
- ウ:作業環境(温度環境・騒音など)は過重性評価の負荷要因の一つです。短期間の過重業務の判断では、他の負荷要因と同様に十分検討して評価することとされており、この記述は正しいです。
- エ:器質的心疾患(先天性心疾患、弁膜症など)を有する者であっても、業務による過重な負荷によって対象疾病が発症・増悪したと認められる場合には業務起因性が認められることがあります。したがって「関連が認められることはない」とする本記述は誤りです。
- オ:複数業務要因災害の場合、二以上の事業に従事している労働者については、それぞれの事業における労働時間を通算して業務の過重性を評価することとされています。この記述は正しいです。
問われているポイント
この問題では、脳・心臓疾患の労災認定における業務の過重性評価の考え方として、勤務時間の不規則性、作業環境、基礎疾患のある場合の取扱い、複数業務要因災害の評価方法などを正確に理解しているかが問われています。
社労士試験では、認定基準の具体的な判断要素がそのまま問われることがあるため注意が必要です。
気を付けてほしい点(勘違いしやすいポイント)
- 「特に過重な業務」は同種労働者の通常業務と比較して判断する
- 基礎疾患がある場合でも業務起因性が認められることがある
補足
脳・心臓疾患の労災認定では、単に労働時間だけでなく、勤務の不規則性や作業環境など複数の要素を総合的に評価します。試験では通知の具体的表現がそのまま問われることがあるため、認定基準の文言に慣れておくことが重要です。
社会保険労務士試験での出題パターン
社会保険労務士試験では、労災保険法の分野から、脳血管疾患・虚血性心疾患の認定基準や過重労働の判断要素、複数業務要因災害の取扱いなど、行政通達に基づく具体的な判断基準を問う問題が繰り返し出題されています。
この知識が使われている問題
まとめ
- 脳・心臓疾患の労災認定では業務による過重負荷の有無を総合評価する
- 勤務間インターバルなど勤務時間の不規則性も重要な判断要素
- 複数業務要因災害では複数事業の労働時間を通算して評価する
この解説で理解すべき用語