社会保険労務士試験 第57回(令和7年) 択一式|問4 過去問解説 「労働者災害補償保険法」

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正解は「E.使用者の責に帰すべき事由による休業期間中であっても、労働協約、就業規則又は労働契約により休日と定められている日については、労働基準法第26条の休業手当の支払義務は生じない」です。
本問は、労働者災害補償保険法の休業補償給付に関する制度と、労働基準法の休業手当の基本的な考え方を理解しているかを問う問題です。各選択肢には給付基礎日額、休業給付基礎日額の特例、休業補償給付の支給要件、年金との調整などが含まれており、制度の正確な知識が必要です。

この記事では、社会保険労務士試験(令和7年・第57回)で出題された択一式 問4「労働者災害補償保険法」のうち、休業補償給付に関する問題について、試験対策の観点からわかりやすく解説します。

休業補償給付の基本

休業補償給付=給付基礎日額×60%(休業4日目から支給)

休業補償給付は、労働者が業務上の傷病によって療養のため労働することができず、賃金を受けることができない場合に支給される給付です。原則として休業4日目から支給され、給付基礎日額の60%が支給されます。また、特別支給金として20%が加算される制度もあります。

各選択肢のポイント

  • A:第1種特別加入者の給付基礎日額は厚生労働大臣が定める額の範囲で選択しますが、設問の「最高額25,000円・最低額2,000円」という記述は誤りです。実際には複数の段階が定められており、このような単純な上下限の規定ではありません。
  • B:休業給付基礎日額の年齢階層別最低保障額の規定は存在しますが、設問のように「療養開始から3年を経過した日以後に支給事由が生じた場合」という規定ではありません。条文の内容が誤っているため不正解です。
  • C:休業補償給付は、業務上の傷病により労働不能で賃金を受けられない場合に支給されるものであり、懲戒処分による出勤停止で賃金請求権がないことを理由に当然に不支給となるものではありません。この記述は誤りです。
  • D:休業補償給付と障害厚生年金・障害基礎年金の併給調整についての説明ですが、設問のような計算方法は規定されていません。傷病補償年金との調整制度と混同した内容であり誤りです。
  • E:使用者の責に帰すべき事由による休業であっても、労働協約・就業規則・労働契約で休日と定められている日は労働義務がないため、労働基準法第26条の休業手当の支払義務は生じません。この記述は正しいです。

問われているポイント

この問題では、労働者災害補償保険法における休業補償給付の制度とともに、関連する給付基礎日額休業給付基礎日額年金との調整、さらに労働基準法の休業手当の考え方を理解しているかが問われています。
社労士試験では、条文の具体的な数値や制度の趣旨を正確に理解しているかどうかが重要です。

気を付けてほしい点(勘違いしやすいポイント)

  • 休業補償給付は「労働不能」と「賃金を受けられないこと」の両方が要件
  • 休日はそもそも労働義務がないため休業手当の対象にならない

補足
社労士試験では、労災保険の給付制度と労働基準法の休業手当の関係が混同されやすいポイントとして出題されることがあります。休業補償給付は労災保険制度の給付であり、休業手当は使用者の責任による休業に対して支払われるものであるという違いを整理しておくことが重要です。

社会保険労務士試験での出題パターン

社会保険労務士試験では、労働者災害補償保険法から、休業補償給付の支給要件、給付基礎日額の考え方、特別支給金、他制度との併給調整など、制度の基本構造を問う問題が繰り返し出題されています。

まとめ

  • 休業補償給付は業務上の傷病により労働不能で賃金を受けられない場合に支給
  • 原則として休業4日目から給付基礎日額の60%が支給される
  • 休日は労働義務がないため労基法26条の休業手当の対象にならない
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