※本情報は解説作成時点のもので、閲覧時点では法改正等により情報が変更になっている場合がございます。あらかじめご理解いただければ幸いです。
正解は「E.労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託した事業主に使用されていた者が、前年に当該労働保険事務組合の虚偽の届出により労災保険の保険給付を不正に受給していた場合、政府は当該労働保険事務組合に対して、当該不正受給者と連帯し、受給金額の全部又は一部を返還すべきことを命ずることができる」です。
本問は、労働保険事務組合に委託した場合の責任や連帯返還義務についての理解を問う問題です。
この記事では、社会保険労務士試験(令和7年・第57回)で出題された択一式 問10「労働者災害補償保険法・労働保険事務組合」のうち、委託に伴う責任や延滞・不正受給への対応について、試験対策の観点からわかりやすく解説します。
労働保険事務組合とは
労働保険事務組合=事業主が処理すべき労働保険事務を代理して行う団体(法人格を有する場合が多い)
事業主は、労災保険や雇用保険に関する申請・変更届・脱退申請などの事務を労働保険事務組合に委託できます。委託により、手続きの簡略化が可能となりますが、法的責任は完全に免除されるわけではありません。
各選択肢のポイント
- A:事業主は労働保険事務組合に特別加入申請等の手続を委託できます。この選択肢は誤りです。
- B:労働保険事務組合は法人である必要はなく、労働保険徴収法第33条で規定された団体等であればよいです。この選択肢は誤りです。
- C:政府が督促状を直接労働保険事務組合に送付した場合でも、事業主に対する督促効果は及びます。この選択肢は誤りです。
- D:労働保険事務組合が延滞金の納付責任を負うことはなく、あくまで事業主が納付責任者です。この選択肢は誤りです。
- E:労働保険事務組合の虚偽届出により不正受給があった場合、政府は事業主と組合に対して連帯して返還命令を行うことができます。この選択肢が正しいです。
問われているポイント
この問題では、労働保険事務組合に委託した場合の責任の所在、不正受給があった場合の連帯返還義務、延滞金の取扱いなど、法律上の仕組みを正確に理解しているかが問われています。
気を付けてほしい点(勘違いしやすいポイント)
- 労働保険事務組合に委託しても、延滞金や不正受給の責任は原則として事業主にある
- 虚偽届出により不正受給があった場合、政府は組合と不正受給者に対して連帯して返還を命じることができる
- 委託できる手続の範囲や責任の範囲を条文で確認することが重要
補足
社労士試験では、労働保険事務組合の委託手続や不正受給に関する条文・通達が頻繁に問われるため、条文趣旨と実務上の運用を正確に理解しておく必要があります。
社会保険労務士試験での出題パターン
労働保険事務組合に関する問題では、委託可能な手続、延滞金・督促、虚偽届出による不正受給への対応など、実務的な知識を問う問題が繰り返し出題されています。
この知識が使われている問題
まとめ
- 労働保険事務組合に委託できる事務には申請・変更届・脱退申請などがある
- 延滞金の納付責任はあくまで事業主にある
- 不正受給があった場合、政府は事業主・組合・不正受給者に連帯して返還を命じることができる