※本情報は解説作成時点のもので、閲覧時点では法改正等により情報が変更になっている場合がございます。あらかじめご理解いただければ幸いです。
正解は「D.『労働者が使用者(出向元)との間の雇用契約に基づく従業員たる身分を保有しながら第三者(出向先)の指揮監督の下に労務を提供するという形態の出向(いわゆる在籍出向)が命じられた場合において、その後出向が、出向先の同意を得た上、右出向関係を解消して労働者に対し復帰を命ずるについては、原則として当該労働者の同意を得る必要があるものと解すべきである。』とするのが、最高裁判所の判例である。」です。
本問題は、労働契約法及び判例に基づき、出向や労働条件の明示、無期転換権など労働契約に関する法律知識を正確に理解しているかを問う内容です。
この記事では、社会保険労務士試験(令和7年・第57回) 択一式 問4「労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識」における労働契約法の知識について、試験対策の観点からわかりやすく解説します。
労働契約法の重要ポイント
労働契約法=労働者と使用者間の契約関係を規律する法律
労働契約法では、労働契約の締結・変更・履行に関する原則、出向や転勤の取り扱い、労働条件の明示、均衡考慮の原則、有期契約の無期転換などが規定されています。特に判例に基づく理解が重要な項目もあり、試験では条文だけでなく判例趣旨を問う問題が出題されます。
各選択肢のポイント
- A:職種・業務内容の合意に反する配置転換は、個別的同意なしには命じられない → 最高裁判例通りで正しい
- B:均衡考慮の原則(労働契約法3条第2項)では、就業の実態に応じた均衡を考慮すべき → 正しい
- C:労働契約法4条第1項に基づく労働条件の明示・説明の範囲 → 正しい
- D:在籍出向後の復帰命令について、労働者の同意が原則必要とする記述 → 判例では例外的に使用者権限で可能な場合もあり、本肢の記述は誤り → 正解
- E:有期契約労働者の無期転換申込権の行使について、更新後も権利発生 → 正しい
問われているポイント
本問題では、出向や復帰命令の際の労働者同意の必要性や、労働契約法の条文と判例趣旨を正確に理解しているかが問われています。
条文そのものの内容に加え、最高裁判所判例で示される実務上の解釈を押さえることが重要です。
気を付けてほしい点(勘違いしやすいポイント)
- 在籍出向の復帰命令について、労働者の同意が常に必要とする記述は誤り
- 労働契約法の条文と判例趣旨は細かく異なる場合があるため注意
補足
社労士試験では、労働契約法の条文知識と判例解釈を組み合わせて問う問題が多く、特に出向や転換権などは誤選択肢として出やすい項目です。
社会保険労務士試験での出題パターン
労働契約法に関する問題は、配置転換の同意、均衡考慮の原則、労働条件明示の範囲、出向・復帰命令、無期転換権など、条文と判例の理解を問う形式で出題されます。
この知識が使われている問題
▶ 社会保険労務士試験 令和7年度(2025年)択一式の過去問「労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識」に挑戦する
まとめ
- 出向後の復帰命令における労働者同意は原則必要ではない場合もある → 判例趣旨を正確に理解する
- 職種・業務内容の合意に反する配置転換は個別同意が必要
- 労働契約法3条・4条や無期転換権の条文知識も重要