宅地建物取引士資格試験 令和5年度|問5 過去問解説 「不在者財産管理人」

※本情報は解説作成時点のもので、閲覧時点では法改正等により情報が変更になっている場合がございます。あらかじめご理解いただければ幸いです。

正解は「4:家庭裁判所により選任された管理人は、保存行為として不在者の自宅を修理することができるほか、家庭裁判所の許可を得てこれを売却することができる。」です。
民法上、不在者財産管理人は保存行為を行うことができ、財産の重要な処分(売却など)は家庭裁判所の許可が必要です。

この記事では、宅地建物取引士資格試験(令和5年度)で出題された過去問の問5「不在者財産管理人」に関する問題について、民法の規定及び判例に基づいて解説します。

不在者財産管理の基本(民法第15条・第21条以下)

不在者財産管理人=不在者の財産を保存・管理し、重要な処分は家庭裁判所の許可を要する

民法では、従来の住所や居所を去った者(不在者)の財産管理を家庭裁判所が関与して行うことが定められています。管理人は、財産の保存行為(修理・維持など)は単独で行えますが、売却など重要な処分には家庭裁判所の許可が必要です。これにより、不在者の財産権保護と管理の適正化が図られています。

各選択肢のポイント

  • 1:誤り。不在者が管理人を置かなかった場合、家庭裁判所が財産管理を命ずるのは、不在者の生死が7年間明らかでない場合に限られるのではなく、利害関係人または検察官の請求により、必要な処分を命じることができます。
  • 2:誤り。管理人が既に選任されている場合でも、生死不明の際には家庭裁判所の判断で改任が可能です。
  • 3:誤り。不在者を被告とする訴訟で控訴を提起する際、管理人は家庭裁判所の許可なしに行動できます(保存行為の範囲内の場合)。
  • 4:正しい。管理人は保存行為(修理など)を単独で行え、売却など重要な処分は家庭裁判所の許可を得て行うことができます。

問われているポイント

この問題では、不在者財産管理人の権限と行為の範囲を理解しているかが問われています。
特に、保存行為と重要な処分の違いを区別して覚えておくことが重要です。

気を付けてほしい点(勘違いしやすいポイント)

  • 保存行為は管理人単独で可能
  • 売却など重要な処分は家庭裁判所の許可が必要
  • 管理人の改任や控訴提起の手続きも家庭裁判所の裁量に依存する

補足
宅建試験では、不在者財産管理人の権限範囲、保存行為と処分行為の区別、家庭裁判所の関与が頻出テーマです。

宅地建物取引士資格試験での出題パターン

不在者財産管理人の権限や家庭裁判所の関与について理解しているかを問う問題は、宅建試験における財産管理・法的手続きの典型例です。

まとめ

  • 不在者財産管理人は財産の保存行為が可能
  • 重要な処分(売却など)は家庭裁判所の許可が必要
  • 管理人の改任や控訴提起の可否は家庭裁判所の判断に依存
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