※本情報は解説作成時点のもので、閲覧時点では法改正等により情報が変更になっている場合がございます。あらかじめご理解いただければ幸いです。
正解は「3:賃借人が建物の引渡しを受けている場合において、当該建物の賃貸人が当該建物を譲渡するに当たり、当該建物の譲渡人及び譲受人が、賃貸人たる地位を譲渡人に留保する旨及び当該建物の譲受人が譲渡人に賃貸する旨の合意をしたときは、賃貸人たる地位は譲受人に移転」です。
民法及び判例では、賃借人に引渡し済みの建物について、賃貸人地位の譲渡は譲受人に効力が及ぶとされています(民法第606条、判例)。
この記事では、宅地建物取引士資格試験(令和5年度)で出題された過去問の問12「賃貸人地位の譲渡」に関する問題について、民法及び借地借家法の規定に基づいて解説します。
Contents
賃貸人地位の譲渡(民法第606条)
賃貸人地位譲渡=賃借人に引渡し済みの建物については譲受人に効力が及ぶ
賃借人がすでに建物を使用している場合、建物の所有者が変わっても、賃貸借契約上の権利義務は譲受人に移転します。譲渡人に地位を留保する特約や譲渡後に譲渡人から賃貸する旨の合意があっても、実質的には譲受人に賃貸人地位が移転します。
各選択肢のポイント
- 1:誤り。期間1年未満の契約は民法上みなしの規定はなく、1年とみなされることはない(借地借家法第38条の適用は別)
- 2:誤り。賃料減額特約は、事情変更の原則(民法第606条類推)により無制限には有効でない
- 3:正しい。賃借人に引渡し済みの建物については、賃貸人地位の譲渡は譲受人に効力が及ぶ
- 4:誤り。賃料増額請求は、一定期間経過後でなくても、事情変更があれば認められる(民法第606条)
問われているポイント
この問題では、賃貸人地位の譲渡に関する民法上の効力を理解しているかが問われています。
特に、賃借人に建物が引き渡されている場合の譲渡効力の及ぶ範囲を押さえることが重要です。
気を付けてほしい点(勘違いしやすいポイント)
- 賃借人に未引渡しの建物では譲渡効力は譲受人に及ばない場合がある
- 地位留保特約や再賃貸特約があっても、実質的に譲受人に移転する
- 賃料増額・減額請求の条件と特約の制限を混同しない
補足
宅建試験では、賃貸人地位の譲渡、賃料請求権の扱い、特約の効力に関する理解が頻出です。
宅地建物取引士資格試験での出題パターン
賃貸人地位譲渡、賃料増減請求、特約の効力は宅建試験で定番テーマです。
この知識が使われている問題
まとめ
- 賃借人に引渡済み建物では賃貸人地位の譲渡は譲受人に効力が及ぶ
- 譲渡人留保や再賃貸特約があっても譲受人が賃貸人となる
- 賃料増減請求の条件や特約の効力を理解する